前回、金融業界のあるあるを書いている時に思い出した、とても理不尽な話。
数年前の話なんですけど、自分のいる会社の社長にと、例によって大手銀行から新社長が天下ってきたんです。
こういう業界ではよくある話で、何の知識も無い畑違いの人がいきなり社長に座るんですね。
そしてこの新社長が「全員営業」というのを打ち出したんです。
それじゃあということで、当時は社長をはじめ、偉い方々にはノルマがなかったんですが、全員にノルマを課そうということになりました。
さすがに、社長や専務に個人でノルマがあるのはどうか、ということで役員グループとして、グループで人数分のノルマが課せられることになったんです。
これには、一般社員はモチベーションが上がりました。
今度の社長は一味違う。
自分達と同じように身を削る覚悟があるんだ!
この大変さを解ってもらえるんだ!
と全員がやる気になったんです。
そして、新年度がスタートするとすぐに、グングン数字は伸びていきました。
全員がやる気になるとすごいな~。
これが意図したものだったら、かなりのやり手だな~と感心したものでした。
が、この勢いは、すぐに失速します。
そう、役員グループの実績がいつまでたってもゼロのままなんです。
「はは~ん。さてはコイツ等、数字取る気無いな。」
上がりきったモチベーションが一気に下がってしまい、数字はすっかり冷えきったまま、年末を迎えました。
すると、お偉いさん達の会議で、社長がこの体たらくに激怒し、叱責したらしいのです。
その場にいた全員が「いや・・・あんたゼロじゃん!」
と思ったことは想像に難くないです。
結局、我々一般社員はその後の頑張りで巻き返し、見事全員ノルマ達成しました。
当の役員グループはというと、さすがにゼロはまずい、ということで、一番下っ端の役員が、なんとか頑張ったものの、結局、ゼロを免れた程度で、目標にはほど遠いさんざんな結果でした。
そして翌年からは、何事も無かったかのようにお偉いさん達のノルマはなくなり、今まで通り社員には厳しいノルマが課せられました。
なんじゃそりゃ!
結局
権力があれば、ルールは曲げ放題。
やりたい放題なんですよね~!
しかし、大手銀行で出世するような人は、こんな堂々と「自分のことは棚に上げて」をやってのける人じゃないと、難しいんだろうな。
厳しい競争を勝ち抜いてきたということは、綺麗事だけじゃなかったと思うし・・・。
まあ、自分みたいな庶民には、わかんないけど。